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北インド古典音楽の歴史について By Waka

ABC INDIA! インド古典音楽コラムの、初めての記事は、エスラジ&タブラ奏者のWaka*若池敏弘さんによる、『北インド古典音楽の歴史について』です。


Wakaさんからは、この動画に関するメッセージもいただいています。

ぜひご一読ください!

(ABC INDIA! Ai)


インドの歴史というものは一括りにまとめることができず、様々な異質な民族や文化が異なった地域で異なった時代に混じり合い融合し複雑に絡みあっています。


例えばドラヴィラ人がインドに進入してくる以前から続いている先住民の文化は、アーリア・サンスクリット的なヴェーダ世界に対して、もっと古く深くて黒い、しかしながら現在もインドの意識の根底に強く流れて受け継がれている生命力溢れる力強い影の存在となっています。


恐らくヴェーダ・マスターであるパンディットたちはそういった異質で異なった部族の存在を忌み嫌ったのでしょうが、中にはそういった存在の世界観に一目置くだけの度量を持った者もいたことでしょう。


文化の本流を担っていた支配層もこのような部族の世界観を全て拒絶することはできずインド文化というものは異質なものを取り込み、それを消化することによって常に変化してゆきました。


先住民の部族やドラヴィラ人の中にはアーリア人と対等に戦えるだけの戦闘能力を持った部族もいて、アーリア人との婚姻関係を結んで社会的地位を確立した者もいれば、デカン高原の奥地でひっそりと暮らす部族もいたでしょうし、落ちぶれてダリット(不可触民)になってしまったグループもたくさんいたはずです (今も都会に行けばそういった部族の末裔らしき人たちが貧困のなか、路頭や駅で生活しているのを目にすることができます)。


しかし彼ら先住民の意識はその後のインドの文化の中に強く刻み込まれていきました。


そういったインドの異文化との遭遇は、全く性格の異なったイスラム文化にも及び、16世紀以降に北インドで華開いたムガール文化はペルシア文化の影響を大きく受けつつも、インド・ヒンドゥ的な土着の文化との融合によって人類の歴史の中でも非常にユニークな存在となっています。


それは音楽という分野にも大きく反映され、この時代に北インド古典音楽の理論体系は大いに発達しました。


現在のインドという存在には、表に見ることができるもののほかに、こういった一見表面的には見えない多層的な文化・歴史的背景の意識が根底にあり、音楽のなかでもそれは複雑に絡み合い生き続けています。


今回は限られた短い時間枠の中で、北インド音楽の歴史を紹介させていただきましたが、あくまで、表面的な流れを簡素に語るに留めておきます。 よって内容は退屈なものになってしまったかもしれませんが、悪しからずご了承ください。


これからも、youtubeのチャンネルでインド音楽についての紹介を続けてゆきたいと思っています。時間が許せば、インド音楽史の別の事柄にフォーカスしたものを作るかもしれません。今後とも応援よろしくお願いします!



(Waka)


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