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執筆者の写真ABC INDIA

【開催レポート】北インド古典ドゥルパド声楽ライブ 秋麗*あきうらら

更新日:2021年12月2日

こにちは^^

先日、北インド古典ドゥルパド声楽ライブ 秋麗*あきうらら 演奏会を開催しました。


ドゥルパド声楽家のShreeさんが、ご自身にとって節目となるライブだとおっしゃっていましたが、その言葉のせいもあってか、胸に強く響くものがあり、最後は少し目が潤んだ会でした。


今回もまた、私の個人的な感想にはなりますが、お読みいただけると嬉しいです。




ABC INDIA! Ai


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北インド古典ドゥルパド声楽ライブ 秋麗*あきうらら〜開催レポート〜



この頃の京都は、紅葉の美しい時期で観光客も多く、幹線道路は混雑しており、遠方からのお客さまが遅れられるというハプニングがありました。


Shreeさんのドゥルパドの大ファンでもある方々だったので、Shreeさんが機転を効かしてくださり、予定していたメインの曲の前に、急遽、短めの一曲を入れてくださいました。


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1曲目は、"Madhmad Sarang"というラーガでした。

"Madhmad Sarang" は、午後一時すぎぐらいからの昼下がりのラーガで、お昼の静けさを表し、愛やバクティの要素もある、軽めのラーガです。

リズム周期10拍のジャプタールのバンディシュ(主題)は、昔からダーガル流派に伝統的に伝わるスーフィソングでした。


大夢さんの太鼓パカーワジのリズムが入り、とてもパワフルで華やかな雰囲気でした。




↑合わせて、楽器紹介なども。


これは、大夢さんがパカーワジのお話をしてくださっているところですね。パカーワジを床に置くためのクッションが赤色の猫ちゃんのぬいぐるみで可愛いでしょう♡そのチョイスが何とも言えないですね^^


そして...、Shreeさんの嬉しそうな笑顔が素敵です。

Shreeさんの左耳の上にオレンジ色の花が飾られているのがわかりますか?

これと花の曼荼羅に使ったオレンジ色のマリーゴールドは、私たちの畑で育てている花です。


開演前にShreeさんが鏡の前にいらっしゃって、通りかかった私に『このお花をピンで留めたいんだけど手伝ってくださる?』と。

お花を飾ろうとしているShreeさんがとても可愛らしくて、キュンとなった瞬間でした。


Shreeさんは、どんな場面でも、人生のその一瞬を楽しみ豊かに味わおうとする方です。

本当に素敵で、一緒にいるとこちらまで、いつもは目に留まらないような、嬉しいことや楽しいことを、沢山見つけてしまうんです。



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2曲目は、メインのラーガ "Bhimpalasi"でした。

1曲目の "Madhmad Sarang" よりも、午後少し遅めの時間帯に演奏されるラーガです。

上り下りで使う音の数が違い、私の感覚的では "落ち着きのある渋いラーガ" という印象です。

"Bhimpalasi" は、とても人気のあるラーガのようです。


Shreeさんの独唱パート "アーラープ"から始まり、後半は大夢さんの太鼓パカーワジ伴奏のも加わりセッションパートへ。


Shreeさんのインタビュー記事でも、ドゥルパドの演奏形態を解説してくださっていましたので。ご興味のある方はぜひぜひ読んでみてくださいね。




インド古典声楽家の方は、声だけでなく全身を使って音を表現されます。まるで目の前に音が映像として見えてくるかのようです。




大夢さんの演奏もとても力強くて、優しくて、素敵でした。




タンプーラのナヲさんも、Shreeさん同様にとても幸せそうな微笑み。




タンプーラのMisaさんも、終始集中して瞑想的に音のサポートをしてくださっていました。



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"Bhimpalasi” はShreeさんの熱も入り、あっという間に時間が過ぎました。

そのあとの3曲目は、短く "Rageshri" でした。

夜の時間帯に演奏されるラーガです。

Shreeさんは、” 次は可愛らしいラーガです" と紹介してくださっていました。

明るくて、柔らかくて、人をハッピーな気持ちにさせてくれる雰囲気のラーガです。




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最後の4曲目は、"Bhoopali" でした。

"Bhoopali" も同じく夜の時間帯に演奏されるラーガです。

シンプルな5音階で、日本の民謡みたいな音で、素朴さや懐かしさを感じさせる雰囲気です。





私は、以前にShreeさんが代表理事を務める日本ドゥルパド協会主催のドゥルパド合宿に参加させていただいた時に、皆んなで歌ったこの曲がとても懐かしくて、温かい気持ちになりました。


最後は出演者の方々も、会場のお客様も、皆んな笑顔になるような、明るくて楽しい空気に満ちていました。



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現実と夢の間を旅したかのような、あっという間の2時間半でした。

このライブを、いつもとは少し違う、"感覚で受け取るモードのスイッチをON" にして味わいました。


Shreeさんが歌っているのを見ているとまるで、Shreeさんと同じ方向を見ながら、Shreeさんが見ている同じ世界を、一緒に見ているかのような気分になりました。


Shreeさんがインドに行き、インド音楽と出会い、これまで経験されたこと、努力されてきたこと、喜びを感じてこられたこと、グルジーを始め先人への感謝と敬意、一つ一つの想い出の映画を一緒に見ているかのような感覚です。


こんな感想を当日もお話したんですが、思わず目が潤んでしまいました。

こうして、意識の深いところで人から人へ伝わってきたエネルギーに触れる時、涙が出そうになることがあります。

迫力のある演奏を聴いて "気分が高揚する" のとは全く別物だと感じます。


背景にはもしかしたら、Shreeさんへの個人的な想いなどの影響もあるかも知れないんですけど、私にはこの日、時空間を超えて "つながった" という感覚がありました。

この "つながった" という感覚。

やっぱりこれが、感じられる音楽を大切にしたい。

それを伝えてくださっているShreeさんのような存在に深く敬意を表します。



出演者の皆さま、音響でサポートしてくださった藤澤ばやんさん、ご来場いただいた皆さま、ありがとうございました。心に残る素晴らしいライブでした。



~---~ 出演 ~---~


タンプーラー伴奏:ナヲ・実紗


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